【電気工事士1種】直流電源から直列+並列接続の抵抗に流れる電流を求める(H30年度問2)

問題 <H30年問2>
図のような直流回路において、電源から流れる電流は 20 A である。図中の抵抗 R に流れる電流 I R [A] は。

— 答え —
答えは 0.8 [A] である。

【出典:平成30年度第一種電気工事士筆記試験問2】

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解法と解説

方針

この問題は、直流回路負荷も抵抗のみサービス問題。オームの法則を利用して確実に正解しよう。

解く手順は

  1. 各抵抗に電流を書き込む
  2. 電流の関係式を求める
  3. オームの法則で、電流、電圧、抵抗を求める

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動画解説

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解答手順

学生さんに口を酸っぱくして言っているのが手順1の「電流を書き込むこと」。これをやっておけば、直流回路はほぼミスなく解ける。

というわけで、図のように2つの抵抗に流れる電流を I 1I 2 とする(手順1)。

すると、電流の関係(いわゆるキルヒホッフの第一法則というやつ)は、

20 [A] = I 1 + I 2 + I R  — (1)

これが手順2

ここまでできたら、あとはオームの法則を使って、各抵抗に流れる電流、印加電圧、(問題によっては抵抗値) を求める(手順3)。

2 Ω の抵抗には電流が 20 A 流れているから、この抵抗での電圧降下は V = IR = 20 × 2 = 40 [V]。すると、縦向きの 3つの抵抗の両端にかかっている電圧は 72 – 40 = 32 [V] (注釈へ)。

するとオームの法則から、I 1 = 32/2 = 16 [A]、I 2 = 32/10 = 3.2 [A]。

関係式(1) から I R = 20 – (16 + 3.2) = 0.8 [A]

というわけで、正解は 0.8 A。

注釈

あなたは「キルヒホッフの法則」と聞いたら、嫌な気分になる?学生さんに聞いてみると、「…の法則」なんて言葉を聞くと、途端に「難しそう」と嫌な気分になる学生が多い。

しかし、である。「…の法則」ていうのは、たいして難しくないものが多い

例えば、上の解法の中で、「3つの抵抗の両端にかかっている電圧は 72 – 40 = 32 [V]」と解説したが、あなたはこれを「難しい」と感じただろうか?おそらく、何も疑問を持たずに、「あぁ、そうだよね」くらいにスルーしたのではないだろうか。

ところが、これ、実は「キルヒホッフの第二法則」と聞いたら、あなたはどう感じる?急に難しく感じるようになった?

このように、「…の法則」と聞くと小難しく感じるかもしれないが、全然難しくないものも多い(電気電子の法則は、特に難しくない。)

というわけで、「…の法則」と聞いても「うわ、嫌だ…」とアレルギー反応を示さずに、ひとつずつ対処していってもらえれば、と思う。

動画解説

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まとめ

抵抗だけの直流回路を解くコツは

  • 各抵抗に電流を書き込む
  • 電流の関係式を求める
  • オームの法則で、電流、電圧、抵抗を求める

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